犬の持つ “ある力”『介助犬を育てる少女たち』 [児童書;dog]
介助犬を育てる少女たち -荒れた心の扉を開くドッグ・プログラム-
- 作者: 大塚 敦子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/06/14
- メディア: 単行本
アメリカのカリフォルニア州サンタローザにある少女更生施設で行われているドッグプログラムを扱ったノンフィクション。
ドッグプログラムは更生施設で暮らす少女たちが介助犬候補犬の訓練をするというものだ。
以前にテレビでこのような取り組みのことを見たなー、と思っていたらどうやら青少年の更生プログラムとしてはじめたのはどうやらこのような施設らしい。
高い効果が得られ、この取り組みは全米の施設で多く取り入れらるようになったそうだ。
犬の世話をし、訓練をし、犬と触れ合うことで、少女たちは本当に変わるのか?
プログラムの地道な道のり、そして、この取り組みで訓練のインストラクターをしている訓練士の女性は、なんと日本人。
犬専門の大学に通う方だそうです。
少女一人一人の持つ事情の違い、性格など丹念に描いています。
そして、危ういながらも、自信を取り戻し変わっていく少女の姿には心打たれます。
この施設を見守る地域の関わりも素晴らしいです。
ただ、やはりいくら効果が高いとは言え、魔法ではありません。
この本では成功例を語っていますが、あとがきでは全ての少女が最後まで全うできるわけではなく、やはり途中で投げ出すなどがあることも述べられています。
ただ、このプログラムをやり切った少女たちの再犯率は極めて低いそうです。
施設、地域、犬の専門家など多くの協力と連携が必要とされますが、
だからこそ様々なことを背負い葛藤する少女たちに自信や安らぎを取り戻させることができるのでしょう。
どうかプログラムをやり切った少女たちに明るい未来が開けますように!
そして、介助犬の使用者にも犬と一緒に過ごす素晴らしい日々が訪れますように!
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