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『狸汁』 [一般]


狸汁 銀次と町子の人情艶話

狸汁 銀次と町子の人情艶話

  • 作者: 柴田 哲孝
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/11/19
  • メディア: 単行本


麻布十番にある小料理屋『味六屋』を舞台に、店主の板前が食を追求しつつ人の情をひもといていく…。
と、書くと何のこっちゃですが、副題の「銀次と町子の人情艶話」というタイトルの通りの本です。
表題の作品作品含め、計6本の短編でいずれも主人公銀次の料理とちょっとした艶っぽいお話がからんできます。
特に「狸汁」はインパクトあり。
味六屋にある日超大物が代議士に接待されてやってきた。
その大物のリクエストはなんと狸汁。
狸は臭いし硬いしで、おいしく食べるのは至難の技。
作中でも、天才的な銀次でさえ難しく、代議士は吐いちゃう始末。
さて、大物はどうして狸汁を所望したかというと…。
人食い話に絡めてちょっとグロあり、でも今では大物の老人の悲しい生き様がストーリーの中で解き明かされていきます。
その過程は、グイグイと読んでいてひきこまれました。
他の作品も、ちょっとグロ、艶、謎などがあり、飽きずに一気に読めました。
一見さんお断りの小料理屋の料理なんて想像もつきませんが、えらくおいしいんじゃなかろうか、という妄想がふくらみ、空腹時にはちょっとつらかっです。

一つだけ気になって仕方なかったのは、銀次の妻、町子の言葉遣い。
いくら小料理屋の女将さんだからって、30代の女の人の話し方じゃないような…。
ま、舞台の雰囲気作りということでしょうがないのかな…。
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