世界に通用する底力『挑む 世界一を獲った富士通の流儀』 [一般]
この本はR+さんより献本していただきました。
で、さっそく読もうかなーと思って手にしたところ、意外に分厚いし、なんかいかにも中身が難しそうな装丁でちょっと後退り。
気を取り直して目次をパラパラめくると、世界一となったスーパーコンピュータ「京」やすばる望遠鏡、アルマ望遠鏡、復興支援など…、興味深いキーワードの記事があるではないですか!
良かった〜、とホッとしました。
読み始めてびっくりしたのは、富士通という、名前はよく知っている会社のことを、何をやっているのか知らなかった、ということです。
どちらかというとPCやオフィス系の事務機器、ケータイくらいのイメージだったのですが、巨大なシステム構築などで世界有数の企業だったのですね。
その巨大システムをいかに組んでいくか、ということに焦点を当ててたらこれまたSEの人しかわからない本になってしまっただろうけど、これはプロジェクトに関わった人たちがいかに目標に向きあったか、そのプロジェクトを支えるバックグラウンドつまり富士通という会社の持つ気質のようなもので話が進むので読みやすいです。
以前TV番組にあった「プロジェクトX」のようなつくりです。
門外漢のわたしでも興味深く読めたのは、コンピュータの関連の言葉がちょっとも難しかったけど「第1章絶対にNo.1を目指す スーパーコンピューター「京」」、「第3章妄想を構想に変える すばる望遠鏡/アルマ望遠鏡」、「第4章誰よりも速く 復興支援」です。これを読むだけで、一筋縄ではいかない富士通の底力のようなものがわかります。
まず、トップや上司の姿勢。責任は自分がとるからやってみろ、だの困ったときは力になることをこの本の成功パターンの中ではいろいろな部署の各時代の上司たちが貫いている。
そしてプロジェクトに対して、なにか事があると他の部署から協力を申し出られたり、融通してもらったり…。そのタイミングの良さが、読んでいて本当か?と思うほど。でも、そういう社風なのか会社組織を作り上げられているの言うのは貴重ではないかと思いました。
そして社外の人ととの関わりも、巻き込み方がうまいな、とおもわせられました。
本当に才能ある人はこういう環境にいるということで、更にのびていくのだろうな、と人を育てる姿勢から思えました。
この本では「対お客様」へのサービス提供という視点があるからという捉え方だったけど、社員が泳ぎやすい会社の環境があるからこそ、お客様の信頼を得ていけるのだろうなと感じさせられる本でした。
プロジェクトX的な内容が富士通という会社だけの事例でまとめられているので、ちょっと広告みたいと思ったりもしたけれど、それだけすごい実績と力のある企業だからこそでてくるお話なのですね。
なので、これから社会に出ようとする人、学生さんに読んで、志ををもってくれればいいな、と思わせる本でした。
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