戦後の闇と友情と『トーキョー・プリズン』 [一般]
ずーっと、気になっていた柳広司さんの作品。
気付いたらどっさり文庫化されていたので気になっていた作品から購入。
で、いっとう最初に手をつけたのが、これ。
トーキョー・プリズン、つまり巣鴨プリズンをさすタイトル。
ちょっと難しいかな……、と読み始めたら止まりませんでした。
戦争中に行方不明となった親友を捜しに巣鴨プリズンをおとずれたニュージーランド人の私立探偵フェアフィールド。
調査の許可の交換条件は、囚人のキジマの記憶を取り戻す事。逮捕前に暴漢に襲われたキジマは、戦時中の記憶を失っており、起訴手続きが停止していたのだった。
キジマの手足となってプリズン内で起きた不可解な自殺(殺人の可能性あり?)の調査を進めていくと……。
読み始めたらすぐに、ストーリーの世界に入り込めました。
記憶喪失だが頭脳明晰、一枚の写真からゲーリングの自殺の真相を言い当てたというキジマ、キジマの婚約者だという女性とその兄、プリズン内のさまざまな人間関係、戦後の東京などなど怪しくものぞいてみたくなる衝動にかられる世界が展開していました。
付属している解説によると、古典的名作ミステリーへのオマージュがちりばめられているらしい。
細かい事は、わからないけれど、そんなこと知らなくても十分楽しめました。
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